Friday, December 22, 2017

Remains of the Day

さいきんになって、ロンドンにもパリにも行ってみたけど、もうロンドンもパリも刺激はくれないのだった。
行ったことのある場所も行ったことのない場所もひとしく、もうどこにも憧れの地はなく、それって自分がもう若くなれないのと同義だと思った。
楽しく笑って帰る夕暮れにも、ああもう生きているのもほとほと飽きたなと思う。ああ、まだ生きているのか、ああまだ生きて行くのか、果てしないなと思う。
夕暮れが、人生で一番いい時間だと語る老人が、カズオ・イシグロの『日の名残り』には出てくる。そうなのだろうか。そうなのかもしれない。と暮れてゆく人生の中で考える。
空はだんだんと光を失い、空気は急速に冷えて行く。わたしは、想像の襟を立てながら思う。そうだろうか。そうかもしれない。でもこの夕暮れは長すぎると。


Spirits Drifting/Eno

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