どうせ死んじゃうのに
なんのために生きるんだろうと問うのは
どうせ読み終えるのに
なんで本なんか読むんだろうと問うのと
同じくらいばかなことなのかな
読み「終える」ために読む人はいない
読む にしたがって
終わり がついてくるだけのこと
「死ぬ」ために生きる人はいない
生きていけば
さいごに死んでしまうだけ
もうすぐ死ぬんだから と根拠なく思っているし
もうすぐ死ぬ以上なにをやってもやらなくても
すべてがいずれ消えてしまうなら
意味はない と思う
がんばっても
楽しんでも笑っても
消えてしまうんだから
消えてしまったんだから
でも
こう言ってしまうのは
「どうせ読み終えるのに 本を読んでも無駄」
と言うのにひとしいのかな
と、ふと。
「終わり」は
本の裏表紙のようなもので
くるりと表紙とつながっている
「生まれてしまった」という表紙と
きっと
生まれた以上
裏表紙だけなくすわけには
いかないんだね
黙々と
「本」をよむしか
ないのだろう
物語は そこにしかないんだから
The Saxophone Song/ Kate Bush
Thursday, November 20, 2014
Wednesday, October 22, 2014
status: saved, me.doc
あっ!そうかわかった!保存だ!
…あ、いえ大声出してすみません。
いや、やっとわかったんですよ。
私がああむなしいああむなしい、なにをやってもやった気がしない、
なにも面白くないし意味がない、あとは死ぬのを待つだけか、
なんて言うでしょう?
そうするとみんなに、
あなたはそんなに活動的で、仕事もしてるし余暇にも面白いことをたくさんして、
充実した日々を過ごしているじゃないの、私の方がよっぽどつまんない人生だわなんて、
言われるんですよ。
充実した日々を過ごしているじゃないの、私の方がよっぽどつまんない人生だわなんて、
言われるんですよ。
たしかに、今日は東、明日は西と遊び歩いて呑気な毎日で
これで文句いったらバチが当たる、というような日々なんですけどね。
でも
夜になって顔洗って
こうつるっと化粧がなくなる頃には
1日の出来事もみんなクレンジングクリームと馴染んでとろけてするっと水に流れて
消えちゃうんですよ、きれいさっぱり、さらっとね。
そして、ああなにも残らないなにもない、私はきょうもなにもしなかった、何も残ってない
って
思うんですよ。
なんでこう、
なにをやっても、やってもやっても、やった気がしなくて
なにもないなにもないと思うんだろうと自分でもふしぎで
まして他人にどう説明したものかと思っていたんですがね
それをやっと!
いまのいま、思いついたんですよ!!
ワープロ、あるでしょう。
あ、古いな。まあ、ワード・プロセッシング・ソフト。
ワード、というか。
あれであーでもないこーでもないと必死で文章作っちゃあ直し、
レイアウト直しフォント直し、画像なんかも入れちゃったりして
体裁工夫して、文章1枚ぺらっと作るじゃないですか。
これがまあ、「1日」だとするじゃないですか。
そこには、まあたわいもないことが書いてある。
”ねえねえきいて!今日さあ、さえこちゃんから電話があったんだけど、さえこちゃん結婚するんだってー!誰とだと思う?ひとしくんと!よかったねー!私電話しながらすごく嬉しくてさー、話してたらなんかわーわー泣いちゃってさー。いや、ばかだよねー。涙もろいのはトシってことなんだよねー。あ、今日はね、鍋にしたよ!”
って書いてあるの。たとえば。
こんなつまんないことをさ、
こう話そうか、ああ話そうか、軽く練習までするの。ああ笑っちゃう。
そして、
夜、果たしてそのとおり
「さえこちゃんが結婚した話」だの、「野良猫と目が合った話」だのをするじゃないですか。
「さえこちゃんが結婚した話」だの、「野良猫と目が合った話」だのをするじゃないですか。
これがつまり
「保存」
ね。
で
安心して、
ものすごく安心して、
「1日」という「PC」の電源を落として、
これで本当に「1日が終わる」んですよ。
こうあるべきだったんです。
いまはね、
「文書」作るじゃないですか、
で、
保存しないまま
電源切れていくんですよ。
文書は、書きっぱなしなんです。
一生懸命いっぱい書くんだけど、「保存」作業がないから、
ものすごい徒労感と不安感を抱えたまま時間切れで、
電源が切れるのを待つしかないんです。
そして毎日、書いたことはなかったことになり
電源は容赦なく切れていくんです。
わたしは、
もう書いても意味のない文書を
相変わらず毎日毎日、書いているんです。
空白がこわくて、まえよりもいっそう書きまくってるくらいです。
でも、翌日の電源が入ると、
なにも書いてないことになっている。
え?文書?
ないよそんなもん。思い過ごしじゃねーの?
って笑われてるみたいに。
でも、翌日の電源が入ると、
なにも書いてないことになっている。
え?文書?
ないよそんなもん。思い過ごしじゃねーの?
って笑われてるみたいに。
あったことを「あったこと」にしてくれたのは
「話せた」からなんです。
あったことは、あるだけでは、だめなんです。
話して初めて、あったことになれて、
そして電源消してもよくなるんです。
元気いっぱい、電源切ってたんです。電源切っても平気の平左だったんです。
そう、
ワードの「保存」だな、って思ったってのは、そういうことですよ。
とりあえず保存したから大丈夫、って。
まあ、言うまでもなくほんとうにどこかに保存されるわけではないから、
「あったこと登録」かな。
「あったこと認定」かな。
まあともかく。
さあこれで電源切って平気、という安心感をくれるもの。
「1日」をゼロにしないもの。
その安心。
そしていまが、その安心の「欠落」なんですわ。
もう、しかも欠落しっぱなしなんですわ、この先ずっと。
わたしの、HDDは、
なくなったもん。
永久に。
わたしの、HDDは、
なくなったもん。
永久に。
はあ。長話になりましたスミマセーン。
あ、じゃ失礼しまーす。
電気、消しますよー。
電気、消しますよー。
White Shadows/Coldplay
Saturday, October 4, 2014
gentlest whisper
ダイジョウブ
わたしも
いつまでも生きてはいないから
と思うことがいちばんなぐさめになり
ほかのことばでは
じぶんを納得させられないことが
じんせいの中にたくさんある
Safe Trip Home/Dido
わたしも
いつまでも生きてはいないから
と思うことがいちばんなぐさめになり
ほかのことばでは
じぶんを納得させられないことが
じんせいの中にたくさんある
Safe Trip Home/Dido
Wednesday, September 17, 2014
days/daze
香ばしい麺麭を焼くような文章が書きたい
手で轆轤を回すような文章が書きたい
木通の籠を編むような文章が書きたい
日がな機を織るような文章が書きたい
胡麻を炒って擂って木綿の布巾で絞った豆腐に和えるような文章が書きたい
静かに庖丁を研ぐような文章が書きたい
ほかほかと湯気の立つ白飯を炊くような文章が書きたい
藍で晒し木綿をあおあおと染めるような文章が書きたい
かさかさと音を立てる枯枝を集めて焚火をするような文章が書きたい
秋になった。
Strawberry Swing/Coldplay
手で轆轤を回すような文章が書きたい
木通の籠を編むような文章が書きたい
日がな機を織るような文章が書きたい
胡麻を炒って擂って木綿の布巾で絞った豆腐に和えるような文章が書きたい
静かに庖丁を研ぐような文章が書きたい
ほかほかと湯気の立つ白飯を炊くような文章が書きたい
藍で晒し木綿をあおあおと染めるような文章が書きたい
かさかさと音を立てる枯枝を集めて焚火をするような文章が書きたい
秋になった。
Strawberry Swing/Coldplay
Tuesday, September 16, 2014
tristesse
かなしみがやってくる瞬間は不意すぎる
つぎの一歩で
地面は急に硬さを失う
あ
あたらしい店ができた
家に帰ったら教えよう
とおもうとき
もちあげた腕の
力が失われる
もう使わないカップに指が触れたとき
ふりかえって
話しかけようとしたとき
テレビを見て笑っている声を
数えてしまったとき
もう
なにもない空間に向かって
話しかけたりしない
その声が
通じてない
のが
いつのころからか
はっきりわかるようになった
気がするもの
どこからも
見ていてはくれない
語りかけられることもない
まして
触れられることはない
わたしが
失ったのはかんぜんな事実でほんとうで
まったくまるっきり
こんりんざい
永遠にということは永遠に
失ったんだと
なんども納得しながらなんどもあたらしく思い出すたびに
あしもとから力が抜ける
この脱力のことでしょう
かなしみとは。
Hurt/Johnny Cash
つぎの一歩で
地面は急に硬さを失う
あ
あたらしい店ができた
家に帰ったら教えよう
とおもうとき
もちあげた腕の
力が失われる
もう使わないカップに指が触れたとき
ふりかえって
話しかけようとしたとき
テレビを見て笑っている声を
数えてしまったとき
もう
なにもない空間に向かって
話しかけたりしない
その声が
通じてない
のが
いつのころからか
はっきりわかるようになった
気がするもの
どこからも
見ていてはくれない
語りかけられることもない
まして
触れられることはない
わたしが
失ったのはかんぜんな事実でほんとうで
まったくまるっきり
こんりんざい
永遠にということは永遠に
失ったんだと
なんども納得しながらなんどもあたらしく思い出すたびに
あしもとから力が抜ける
この脱力のことでしょう
かなしみとは。
Hurt/Johnny Cash
Sunday, September 14, 2014
sneak a peek
電車の座席に並んで座ると
猫背の彼の横顔は
わたしの視線のななめ前にあった
わたしは座席にもたれ
気づかれないまま
思う存分彼の横顔を見られる
この状況が好きだった
上向きにカーブした長い睫毛
秀でた額から皮膚の薄い唇につづく完璧な鼻と顎の線
うまくできているなあと
神様の造形の腕前に感嘆しながら
こんなに長い年月がたっても
まだ夫の顔に見とれている妻というのは
あまりに気恥ずかしいから
見ないふりをする
でも
寝顔と
こうして
ななめ前の横顔を盗み見るひとときは
誰にも気づかれない
わたしの特権だった
手放したくない
特権だった
あのひとは
恋に落ちるべき横顔をしていた
Black Is The Color/Cara Dillon
猫背の彼の横顔は
わたしの視線のななめ前にあった
わたしは座席にもたれ
気づかれないまま
思う存分彼の横顔を見られる
この状況が好きだった
上向きにカーブした長い睫毛
秀でた額から皮膚の薄い唇につづく完璧な鼻と顎の線
うまくできているなあと
神様の造形の腕前に感嘆しながら
こんなに長い年月がたっても
まだ夫の顔に見とれている妻というのは
あまりに気恥ずかしいから
見ないふりをする
でも
寝顔と
こうして
ななめ前の横顔を盗み見るひとときは
誰にも気づかれない
わたしの特権だった
手放したくない
特権だった
あのひとは
恋に落ちるべき横顔をしていた
Black Is The Color/Cara Dillon
Thursday, September 11, 2014
the train stops in the middle of the desert
その列車は
なにもない砂漠を走りつづけ
「森」を前にして停止した
森は砂漠に囲まれている
わたしたちは列車を降りることはできないので
森に面した窓辺に並んで
森を見た
彼は「農作業」を終えて森と砂漠の境界線までくると
そこにあるベンチに腰を下ろして
静かに煙草を吸った
もう長いこと吸ったこともないはずの煙草を
彼は見慣れない長いトレンチコートを着ていて
それは長身で細身の身体に似合って
少し若く見え
いやに端正なのが悲しかった
「飛行機」で飛んできたきれいな女性が
彼に近寄り
「昔とくべつな関係だった二人」に特有の
気楽なようすで煙草をねだり
ごく自然にベンチの隣に座った
彼は手近にあったバケツのようなものを
灰皿にして二人の前に置き
けだるいような
あきらめたような
でもおだやかなような様子で
女性と話していた
会えてよかったわ
会えるんだね
会えないんだと思ってた
と彼女は言い
また会えるのかな?
と言いながら立ち上がった
「飛行機」は毎日来るからね
会えるんじゃないの?
と安請け合いをするところがとても彼らしかった
列車を降りられないわたしたちは
その会話を聞くしかないのだった
何日かして
もう使うこともないパスポートを開けると
挟んであった若い写真が出てきた
彼はとても痩せていて
見慣れないトレンチコートを着ていた
それ
天国だったんだね
と娘は言った
天国って神様の作物を育てるのらしいよ
そうなのか
じゃあきっと
列車は「夢」なのだ
「飛行機」は
死んだ人を運んでくるんだ
でもそれ以来
わたしは列車に乗って
砂漠に行っていない
Becalmed/Eno
なにもない砂漠を走りつづけ
「森」を前にして停止した
森は砂漠に囲まれている
わたしたちは列車を降りることはできないので
森に面した窓辺に並んで
森を見た
彼は「農作業」を終えて森と砂漠の境界線までくると
そこにあるベンチに腰を下ろして
静かに煙草を吸った
もう長いこと吸ったこともないはずの煙草を
彼は見慣れない長いトレンチコートを着ていて
それは長身で細身の身体に似合って
少し若く見え
いやに端正なのが悲しかった
「飛行機」で飛んできたきれいな女性が
彼に近寄り
「昔とくべつな関係だった二人」に特有の
気楽なようすで煙草をねだり
ごく自然にベンチの隣に座った
彼は手近にあったバケツのようなものを
灰皿にして二人の前に置き
けだるいような
あきらめたような
でもおだやかなような様子で
女性と話していた
会えてよかったわ
会えるんだね
会えないんだと思ってた
と彼女は言い
また会えるのかな?
と言いながら立ち上がった
「飛行機」は毎日来るからね
会えるんじゃないの?
と安請け合いをするところがとても彼らしかった
列車を降りられないわたしたちは
その会話を聞くしかないのだった
何日かして
もう使うこともないパスポートを開けると
挟んであった若い写真が出てきた
彼はとても痩せていて
見慣れないトレンチコートを着ていた
それ
天国だったんだね
と娘は言った
天国って神様の作物を育てるのらしいよ
そうなのか
じゃあきっと
列車は「夢」なのだ
「飛行機」は
死んだ人を運んでくるんだ
でもそれ以来
わたしは列車に乗って
砂漠に行っていない
Becalmed/Eno
Tuesday, September 9, 2014
wind blows through the keyhole
「カケガエノナイヒト」
をなくした人間は
胸にひとりひとり
ちがうかたちの穴があくのを知ってた?
穴はいつも
をなくした人間は
胸にひとりひとり
ちがうかたちの穴があくのを知ってた?
穴はいつも
新鮮な切り傷のように
からだじゅうの神経を覚醒させ
からだじゅうの神経を覚醒させ
だらだらと血を流し続け
痛みで気が遠くなる
その穴は一生ふさがらない
穴はからだを貫通していて
そこを風も吹きぬける
でも、穴をふさいではだめ
その穴は
天国で
「カケガエノナイヒト」
と会ったとき
わたしを識別してもらうための
鍵穴だから
彼は鍵をもっている
鍵をもって待っている
わたしの
風の吹きぬける胸の穴に
彼の鍵がぴったりささったら
穴がすきまなくふさがれたら
彼はわかってくれる
それがわたしだと
だからもうすこし
すきま風の吹きぬける胸を抱いて
生きていく
O Pastor/Madredeus
痛みで気が遠くなる
その穴は一生ふさがらない
穴はからだを貫通していて
そこを風も吹きぬける
でも、穴をふさいではだめ
その穴は
天国で
「カケガエノナイヒト」
と会ったとき
わたしを識別してもらうための
鍵穴だから
彼は鍵をもっている
鍵をもって待っている
わたしの
風の吹きぬける胸の穴に
彼の鍵がぴったりささったら
穴がすきまなくふさがれたら
彼はわかってくれる
それがわたしだと
だからもうすこし
すきま風の吹きぬける胸を抱いて
生きていく
O Pastor/Madredeus
tiring/ring the bell
it's tiring to be hated.
it gets even more tiring when you never know the reason why.
Girl who got away/Dido
it gets even more tiring when you never know the reason why.
Girl who got away/Dido
caress/careless
右足の裏だけが冷えている。
というわけでしょっちゅう右足の裏を手で擦っている。
手は見知らぬ他人の体温のように温かい
から
擦られた足の裏は瞬間温もったようになるが
手を離すと
その瞬間にまた
そこに氷が埋めこまれているように
その氷が風を呼びこむように
冷たくなるのだ。
体の中で
右足の裏の土踏まずの一点だけが
いつも冷えている。
Let the right one in/Morrissey
というわけでしょっちゅう右足の裏を手で擦っている。
手は見知らぬ他人の体温のように温かい
から
擦られた足の裏は瞬間温もったようになるが
手を離すと
その瞬間にまた
そこに氷が埋めこまれているように
その氷が風を呼びこむように
冷たくなるのだ。
体の中で
右足の裏の土踏まずの一点だけが
いつも冷えている。
Let the right one in/Morrissey
Monday, September 8, 2014
never been so lonely
こんなにさみしかったことはない。
のかもしれないしあるいは
もといたところにかえってきた
だけなのかもしれない。
中秋の名月は雨と雨雲のむこう。
どの字を漢字にするかひらがなにするかの権限が与えられた私は
世界の王かもしれない。
Princess of China/Coldplay
のかもしれないしあるいは
もといたところにかえってきた
だけなのかもしれない。
中秋の名月は雨と雨雲のむこう。
どの字を漢字にするかひらがなにするかの権限が与えられた私は
世界の王かもしれない。
Princess of China/Coldplay
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